介護の業務を円滑に進めるには、スタッフ間の連携がとても大切になります。ですが、実際のところ介護現場は、人間関係によるトラブルが発生しがちな職場でもあります。
介護現場は圧倒的に女性のスタッフが多く、年齢的にも幅が広いため、気を遣うことが多いでしょう。とはいえ、あまりに気を遣いすぎるのは返って自分を追い詰める結果になってしまいます。無理に合わせようとすると自分自身が苦しくなるので、なるべく距離を置くのが賢明です。
もし、苦手な相手がいる場合は、線を引いて接するようにしましょう。特に女性は共感性が強く、何かと同意を求められることもあるかもしれませんが、聞き流すことでうまくかわすことはできます。そして根拠のない噂話や悪口には参加しないように注意しましょう。もしそんな場面に出くわしてしまったら、同調することなく聞き役に回ることが大事です。
また、介護士は同僚だけでなく、利用者や家族、外部担当者など様々な立場の人とも関わります。特に利用者との距離感には気を配り、良好な関係を築けるよう努力しましょう。高齢者は自身よりも人生経験を積んだ先輩です。「お世話をする」ということだけを重視して、業務的な対応をするのはNGです。親睦を深めつつ、きちんと敬意を払って接するようにしましょう。
それだけでなく、一人ひとりの個性を認識することも重要です。どんな時に喜ぶのか、不機嫌になるのかをチェックしたり、他のスタッフのコミュニケーション方法を学んだりして、接し方を工夫するとよいでしょう。
そして、目線を合わせて穏やかな声で話すなど、言葉以外の非言語コミュニケーションを意識することも必要です。利用者と良好な関係を築いている介護士の表情や態度を真似してみるだけでも、相手に与える印象は大きく変わるはずです。